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世界で最も美しい図書室のあるストラホフ修道院

世界で最も美しい図書室とも言われるストラホフ修道院の哲学の間。実際にここで学んでいた修道士達の姿を重ねて想像すると、タイムスリップをしたかのような錯覚を覚えます。

プラハの中心部からは外れたところにありますが、路面電車が通っているため、車が必要という場所ではありません。しかし心身の負担を考えればレンタカーで訪れるのがベストです。修道院の入り口には車用のゲートがあり、中に駐車することはできます。

入って右手にあるのが世界遺産のストラコフ修道院です。入り口でチケット買うとともに、追加のチャージを払うと三脚での撮影が可能です。海外での撮影地では、このように追加のチャージさえ支払えば、三脚が使用可能な場所も多いので、窓口で聞いてみると良いでしょう。

修道院の中は30分もあれば回れる広さです。ただし特定のツアーはロープで入れない立ち入り禁止のコーナーにも入っていけるようで、図書室を撮影する際にはアングルに人が入ってしまうので注意が必要です。一般的にお昼前からツアー客が増えてくるので、それ以降は絶え間なく図書室の中に人がいる状態もあり得ます。ツアーの団体客が少ない午前10時くらいに行って、撮影するのがベストですが、時期によっては太陽光が少なく光量不足になることや、陰影がないメリハリのない写真になることもあるので、こちらも注意が必要です。私が撮影した5月であれば、様々な条件が揃っているのでおすすめ出来ます。

今回の写真は入ってすぐの所にある哲学の間の写真ですが、扉の入り口から見る形なので、入り口の中央に三脚を構えてしまうと、他の訪問者の邪魔になります。哲学の前にツアー客が入っていないタイミングかつ、他の訪問客にならないタイミングを見計らう必要があり、このタイミングで撮影出来るかどうかは運次第の要素になります。

私が撮影した際もなかなかそのタイミングが来ず、入り口から離れたところで、三脚を畳んで待ち構えていました。そして待ち続けて一時間が経過しようとしていた時、一人の修道士の方が私に語りかけました。「私の夫もカメラマンをやっているので、あなたの気持ちは分かった。ここ(正面)からじっくり撮影しなさい」と、私が移動したかった場所を最初から分かっていたかのようにその場に導いてくれました。その時に撮影した写真がこの1枚です。

その瞬間は他の訪問者の方を左右に移動させてしまうことになってしまいましたが、三脚にはすでにカメラが固定されており、水平出しもしていたので、20秒程度で済んだと思います。私が撮影を終えて会釈をして立ち去ろうとすると、その方は「この先、私のような人ばかりではないかもしれませんが、チェコを好きになって帰って下さい」と声をかけてくださり私は修道院を後にしました。チェコ旅行初日の一コマです。

この優しい方が毎回いるとは限りませんが、少なくとも三脚持ち込みの為の追加チャージは支払っており、支払えばシールのワッペンを貰って貼り付けて行動できますので、三脚を用いた撮影が他の訪問客に撮って限りなく邪魔で危ない存在であることに留意しつつ、タイミングが訪れた際には後ろめたさを感じず手際よく思い切って撮影しましょう。

この時使ったレンズは35mm単焦点(Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA/SEL35F28Z)です。これより広角だと左右の扉が入り込みます。本当はチルトシフトレンズを使うか、正式な撮影許諾を取得して、クレーンでより高い所から正面を撮影する方が歪みは少なくて美しいとは思いますが、そのような写真を撮影出来た方はぜひ教えて下さい。

また哲学の間から少し離れたところに神学の間という天井のフレスコ画が美しい図書室があります。哲学の間のような空間的な広がりはありませんが、フレスコの美しさを間近に見ることができるので、こちらもぜひ撮影をして見て下さい。哲学の間と同じように、特定のツアー客が中に入っていきますので、注意点としては哲学の間と同じになります。